あまり知られていない!?【狂犬病予防法】を、わかりやすく解説!

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法律のこと

今回は、犬の飼い主の義務としても大切な『狂犬病予防法』について、ご紹介します。

狂犬病予防法   1950年(昭和25年)制定

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狂犬病とは

人間を含むすべての哺乳類に感染するといわれています。

日本国内では、1957年以降、狂犬病は発生していませんが、現在でも世界中では、年間でおよそ5万9千人が亡くなっている、とても怖いウィルスです。

狂犬病ウィルスは、咬まれると感染し、潜伏後に発症します。

感染した人は、水を飲むと、のどや全身がけいれんして苦しむ「恐水症」という症状になり、発症すると致死率は、ほぼ100パーセントです。

2006年に、日本人がフィリピンで、犬に手を咬まれ、帰国後に発症し、死亡した事例があります。

2020年5月。フィリピンで2019年9月に左足首を犬に咬まれ、現地で医療機関に受診することなく2020年2月に来日し、5月中旬頃から水を怖がるようになり、発熱。狂犬病の発症が確認されました。

潜伏期間がとても長いことも特徴です。

予防としては、発症が多い国への渡航前のワクチン接種や、噛まれた後に、ワクチンを連続投与することで発症を防ぐことができます。

人から人への感染はないといわれています。

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狂犬病予防法の目的 第一条

この法律では、狂犬病を完全になくして安心して暮らせるようにすることを目的としています。

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対象となる動物とは? 第二条

① 犬

② 猫、アライグマ、キツネ、スカンク

※②は、輸出入の際の検疫と、狂犬病が発生したときのみ、この法律が適用されます。

犬の登録義務 第四条

犬の所有者は、生後90日を経過した犬を取得した日から30日以内に、市町村長に犬の登録の申請をしなければなりません。

そして、交付された鑑札を犬に装着しておく必要があります。

犬が亡くなったり、飼い主が変更した場合も、届出を提出します。

20万円以下の罰金に処せられる罰則規定があります。(第二十七条)

予防接種の義務 第五条

生後91日以上の犬には、毎年4月1日~6月30日までの間に、狂犬病予防注射を毎年1回受けなければなりません。

そして、注射済票を犬に装着しておく必要があります。

20万円以下の罰金に処せられる罰則規定があります。(第二十七条)

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犬の抑留 第六条

飼い主がわからない犬や、畜犬登録の鑑札もなく、狂犬病予防接種済の鑑札がない犬を見つけたときは、予防員(都道府県の獣医師の職員)により、その犬を捕獲して抑留し、飼い主がいないか2日間を公示し、その後1日以内に誰も犬を引き取らないときは、処分(いわゆる殺処分)をすることができるとされています。

輸出入での検疫を受ける義務 第七条

犬、猫、アライグマ、キツネ、スカンクを輸出入する際には検疫を受ける必要があります。

30万円以下の罰金に処せられる罰則規定があります。(第二十六条)

狂犬病の疑いがあった際の届出義務 第八条

狂犬病にかかった犬、疑いがある犬、これらの犬に咬まれた犬がいる場合、診断し、すぐに、保健所に届出をしなくてはいけません。

そして、その犬を隔離する必要があります。(第九条)

※届出をしなかった場合には、30万円以下の罰金に処せられる罰則規定があります。(第二十六条)

狂犬病が発生したと認められたときには、都道府県知事がすぐに公示して、その区域にいるすべての犬に口輪をするか、けい留することが命じられます。(第十条)

また、犬の展覧会や集合施設などの利用が禁止されることもあります。

※こういった指示に従わなかった際にも、20万円以下の罰金に処せられる罰則規定があります。(第二十七条)

最後に

狂犬病予防法に定められていることは、

《予防のための措置》と《発生したときの措置》です。

犬の飼い主としての最初の大きな義務は、登録と予防接種です。

そして、犬が人を咬んでしまった際には、「届出」と「獣医師による狂犬病に感染していないかなどの検診」など、各都道府県や市の動物愛護関連条例にも飼い主としての義務が定められています。

名古屋市動物愛護及び管理に関する条例(第十三条 事故発生時の措置)

狂犬病の感染源のほとんどが犬ということもあり、予防接種の対象が犬だけになっていますが、猫やアライグマなどに感染し、人が咬まれて発生するという可能性もあります。

2018年11月には、英国人男性がモロッコで猫に噛まれ、狂犬病が発症して死亡しています。

狂犬病予防接種を受ける際に、犬にとって副作用による反応がみられる場合もあるため、愛犬の健康状態が心配な場合は、獣医師に相談してから受けることも大切です

犬の登録と予防接種は、狂犬病がまん延しないための予防としての大切な義務です。

今回は狂犬病予防法について、ご紹介させていただきました。

少しでも参考にして頂けたら幸いです。

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