ペットのための信託・後見とは ― 大切な家族を守る選択肢

ペットのこと

遺言書とあわせて知っておきたい「契約による備え」とは?

「自分に何かあったとき、この子はどうなるのだろう…」
そんな不安を抱える飼い主さんにとって、ペットのための信託ペットのための後見は、大切な命を守るための新しい仕組みです。

今回は、遺言書とあわせて知っておきたい「契約による備え」についてご紹介します。

参考記事⇒ ペットのための遺言書~遺言書でできること~

ペットのための信託とは?

ペットのための信託とは、飼い主が自分の財産の一部を信託財産として預け、信頼できる管理者に託す仕組みです。

  • 飼い主が元気なうちは、自分でペットの世話を続ける
  • もし病気や死亡で世話ができなくなった場合は、信託管理者がペットの世話費用を管理し、指定した飼育者に支払う

この仕組みによって、ペットのお世話をする人と費用を管理する人を分けられるため、安心感が高まります。


ペットのための後見とは?

ペットのための後見とは、飼い主の判断能力が低下した場合に備えて、後見人を事前に指定しておく仕組みです。

  • 任意後見契約を結び、飼い主に代わってペットのお世話や財産管理を任せられる
  • 将来の不安がある高齢の飼い主や、一人暮らしの方にとって心強い制度

ペットのための信託と違い、飼い主の生活面も含めて支えてもらえる点が大きな特徴です。


遺言書との違い

  • 遺言書:飼い主が亡くなった後に効力が発生
  • ペットのための信託・ペットのための後見:生前から備えることが可能

つまり、「亡くなった後」だけでなく、「元気なうち」「病気になったとき」まで含めて守ることができるのが大きなメリットです。


契約を結ぶ際の注意点

  • 信頼できる管理者・後見人を選ぶこと
  • 契約内容を明確にし、ペットの飼育方法(食事・医療・散歩など)を細かく指定しておくこと
  • 専門家(行政書士・司法書士・弁護士)に相談しながら進めること

まとめ

ペット信託やペット後見制度は、遺言書だけではカバーしきれない場面に対応できる仕組みです。

  • 遺言書 → 死後の備え
  • ペットのための信託・後見 → 生前・病気・判断能力の低下への備え

こうした仕組みを事前に知っておくことが、安心して暮らせる未来につながります。

ペットのための信託・後見について、当オフィスにお気軽にご相談ください。

参考記事⇒ 動物の管理責任を明確にするための「民法718条」とは?