【ADR】もしも、ペットの事故やトラブルが起きてしまったら…。事業者様も飼い主様も知っておきたいADR制度とは?

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ペットのこと

ペットに関わる事故やトラブルが起きた際に、その問題をどのように解決したらよいのかという問題に直面します。

  • ペットによる咬傷事故
  • ペットが受けた傷害事故(事業者にペットを預けた際の事故も含みます)
  • ペットの売買に関するトラブル
  • ペットの鳴き声をめぐるトラブル
  • 猫へのエサやりに関するトラブル

ペットに関する問題は、価値観の違いから当事者同士で解決策を見つけることも難しく、

また、法律上「物」であることから賠償金額も少額であり、民事訴訟にはハードルがあります。

しかし、大切なペットに関わる事故やトラブルには、飼い主様の想いや事業者様の想い、近隣住民の方の生活の保護など、安心して暮らしていくためにはしっかり解決することが大切です。

今回は、行政書士会が運営するADR(裁判外紛争解決手続き)という制度をご紹介させていただきます。

行政書士会が運営するADRでは、申込の際の要求額が60万円を超えない愛護動物(ペットその他の動物)に関する紛争を解決するための体制が整っています。

すべての方にとっての万が一に備えて、少しでも参考にして頂けましたらと思います。

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もしも、ペットの事故が起きてしまったら

一般の飼い主様にとっても、ペット関連事業者様にとっても、ペットが好きではない方にとっても、

一瞬の出来事によって起こる事故からのトラブルや、継続的な状況によって蓄積された考え方の相違によるトラブルなど、

いつでもどこでも、事故やトラブルが起こる可能性があります。

大切なことは、事故やトラブルが起きないようにしっかり管理することとですが、

万が一、事故やトラブルが起きてしまった場合に大切なことは、すぐに対処することです。

※飼い犬が人を咬んでしまった際には、保健センターへの咬傷事故届の提出が必要です。

治療費や慰謝料などの費用請求に関して、当事者同士での話し合いでは難しい場合も多く、

トリミングサロンやペットホテルに預けた際の事故に対しても同様です。

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ADRとは?

ADRとは、裁判外紛争解決手続【訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続】をいいます。

※『ADR法』(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)第一条より

裁判のように法律を適用した紛争解決ではなく、対話促進型調停を基礎として、中立で公正な第三者が当事者の間に入り、双方の思いや状況、どうしたいのかなどの考えを聞き、

それぞれの状況に応じて、双方にとって一番良い解決を一緒に考えるということに重点が置かれています。

必要に応じて、弁護士からの助言を求めることもできます。

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ADRの利用方法と費用

まずは、ADRを実施している行政書士会に事前相談(無料)を行い、

調停の申込みをして、調停を行います。

ここで大切なことは、相手方にも参加の同意を得ることが必要ということです。

相手方からの応諾がないと、調停を行うことができず、問題解決には至りません。

事故やトラブルがあった際には、当事者間で話が難しくなってしまう前に、できるだけ早い段階でのADRの検討が重要になります。

話し合い後、合意に至った際には、内容を書面にまとめ合意書を作成します。(無料)

費用は、申込手数料3,600円、調停期日手数料3,600円、2回目以降調停期日手数料3,600円です。(現金のみ)

行政書士ADRセンター東京より、費用参照

※手数料の負担割合は、当事者間で決めることができます。

ADRを実施している行政書士会がある地域とは

ペットのトラブルに対応できるADRを運営している行政書士会は、全国すべてではないため、実施している行政書士会地域のみとなります。

東京、神奈川、長野、新潟、愛知、三重、大阪、兵庫、山口、香川、福岡の行政書士会です。

日本行政書士会連合会ホームページより

上記の地域以外でのトラブルでは、弁護士会が運営するADRにも相談することができます。(申込費用など、行政書士会とは異なります)

最後に

事故やトラブルが起きないことが一番の理想ですが、万が一起きてしまったときにどのように対処すればよいのかを、知っておくこともとても大切です。

ペットは社会的には「物」ですが、飼い主様にとってはとても価値が大きいため、誠意のある対応が必要です。

また、誠意のある事業者様にとっても、高額な治療費等の請求や問題解決ができなかったことによる悪質なネット上の書き込みなどの被害に合わないためにも、

できるだけ早い段階で、専門家に相談することが大切です。

弁護士さんや民事訴訟はハードルは高いが、身近な問題をどのように解決すればわからないという状況の際に、おひとりで問題を抱えてしまうのではなく、ADRという制度を利用するということも、選択肢のひとつとして、知って頂けたらと思います。

~これから、ペットのお仕事をはじめようと考えている方へ~

著書『ペットビジネスフィロソフィ

  @pet_celenavi

インスタグラムをはじめました。ペットに関する法律やマナーなどをもっと身近に知って頂き、地域への配慮や社会問題の解決、安全にペットと楽しんで暮らせるペットフレンドリーな社会づくりのために少しでも貢献できたらと思っています。フォロー、貴重なご意見よろしくお願いします。