動物取扱責任者とは?ペットビジネス開業に必要な最初の3つの要件

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ペットビジネスのこと

「ドッグトレーナーとして、独立開業したい」

「ペットショップを経営したい」

「自宅でトリミングサロンを始めたい」

直接動物を取り扱うペットビジネス【※収益事業】を始める際には、動物愛護法に基づき、第一種動物取扱業としての登録申請が必要になります。

関連記事⇒ 【動物愛護法】とは?動物の愛護及び管理に関する法律をわかりやすく解説!

そして、登録申請する際には、事業所ごとに1人以上常勤の動物取扱責任者を設置することが必須条件となります。

動物取扱責任者としての要件がクリアできていなければ、登録申請をすることができません。【※令和2年法改正施行により、資格要件に変更あり。】

また、法改正により、『十分な技術的能力及び専門的な知識経験を有する者のうちから、動物取扱責任者を選任しなければならない』という条文も追加されています。

今回は、動物取扱責任者としての必要な3つの資格要件をご紹介させて頂きます。

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必要な3つの要件

①以下のいずれかのうち、1つ該当していること

獣医師免許

愛玩動物看護師免許 ⇒ 動物に関わる新しい国家資格【愛玩動物看護師法】とは?

●取り扱う種別に係る、知識と技術を1年以上教育する学校法人や教育機関を卒業していること(認められない教育機関もあります)と、営もうとする種別に対応した実務経験が6ヶ月以上。または、実務と同等と認められる1年以上の飼養経験【※令和2年法改正施行により、実務経験が追加されました。】

●取り扱う種別に係る、環境省が認める資格を持っていることと、営もうとする種別に対応した実務経験が6ヶ月以上。または、実務と同等と認められる1年以上の飼養経験【※令和2年法改正施行により、実務経験が追加されました。】

(国家資格はなく、民間団体の資格のみです。例えば、社団法人ジャパンケネルクラブの『愛犬飼育管理士』では、5つの種別が認められ、『公認訓練士』では、保管と訓練のみが認められています)

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実務と同等と認められる1年以上の飼養経験という要件について

常勤での実務経験6か月以上が原則になりますが、実務と同等と認められる1年以上の飼養経験とは、

ペットを飼っていたことは、実務同等の飼養経験とは認められません。

地域によって判断が異なりますが、パート・アルバイトなど(週何日何時間という基準はありません)での従事経験が認められる場合もあれば、

雇用関係でなくても、事業者からの証明で実務同等と認められる場合もあります。

どんな内容の仕事をどれくらいの期間関わったのかなど、実務同等と認められる証明を集めて提示する必要があります。

実務と同等と認められる1年以上の飼養経験での得られる動物取扱責任者としての資格は、実務経験で取り扱った動物の種類のみです。

例えば、猫カフェで1年間アルバイトをして実務経験として認められた際には、責任者として取り扱いができるのは猫のみです。保護犬カフェなどの犬の展示事業ができません。

6か月以上常勤での実務経験後、犬などの他の動物も取り扱いができるようになります。

原則は、常勤での実務経験のため、実務と同等と認められる1年以上の飼養経験の基準は不明確ですので、管轄の動物愛護センターに確認が必要です。

②動物取扱責任者研修を年に1回以上受講すること

年に一度、必ず、研修を受講すること。

③以下のいずれも該当していないこと

●心身の故障により、業務を適正に行うことができない

●破産手続き開始の決定を受けて、復権を得ていない

●法律の規定により、刑に処せられ、執行が終わって5年が経過していない

●暴力団員でなくなって5年が経過していない

などの条件があります。

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動物取扱責任者とは?

【動物取扱責任者】という資格があるのではなく、一定の要件を満たしていることで、第一種動物取扱業の登録申請時に、動物取扱責任者として申請することができます。

動物の管理を適正に行うための重要な責任者となります。

動物取扱業者の取扱う動物とは?

哺乳類、鳥類、爬虫類をいいます。牛や馬などの畜産用や、実験用は含まれません。

第一種動物取扱業者の取り扱い種別とは?

●販売(ペットショップ等)

●保管(ペットホテル、ペットシッター、トリミングサロン等お預かり)

●貸出(ペットレンタル等)

●訓練(出張訓練等)

●展示(動物園、アニマルセラピー業者等)

●競りあっせん(動物売買オークション等)

●譲受飼養(有料の老犬ホーム等)

の7種類です。

どんなペットビジネスに対して登録が必要なのか?

上記の7種類に関わることを営利目的で業(不特定、多人数に対して継続して行ったり、取扱量が多い)として行う場合に第一種動物取扱業としての登録が必要になります。

営利目的でなく(無料サービスとして)、犬猫の場合は10頭以上の取り扱いがある場合は、第二種動物取扱業としての届出が必要であり、営利目的でない犬猫10頭未満の取り扱いの場合は、許可届出は不要です。

※有償か無償かと、頭数の取り扱いの違いだけで、同じ内容のサービスであっても第一種でも第二種でもなくなり、許可届出も不要になりますので、取り扱いとサービス提供の際には細心の注意が必要です!

ドッグカフェや、ペットと泊まれる宿などの場合は、直接動物を取り扱う仕事ではないため、第一種動物取扱業にはなりませんが、

看板犬を常勤させて営業する場合には、『展示』に該当します。

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罰則は?

登録を受けないで営んでいた場合には、100万円以下の罰金、

変更があったのに届出をしていなかったり、虚偽の報告をしていた場合には、30万円以下の罰金などが定められています。

まとめ

動物取扱責任者としての必要な3つの要件とは、

①必要な資格、経験等の要件を満たしていること。

②研修を受講すること。

③欠格事由に該当していないこと。

最後に

以上の3つの要件を満たすことで、第一種動物取扱業の登録ができ、ペットビジネスの開業が可能になりますが、開業後も安定して続けていくためには、この3つの要件だけではなく、多くのことを学ぶ必要があります。

ペットビジネスの開業を考えている方に、少しでも参考にして頂けたら幸いです。

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~これから、ペットのお仕事をはじめようと考えている方へ~

著書『ペットビジネスフィロソフィ