愛犬に犬服を作り始めると、とっても楽しくて、かわいい犬服で喜んでもらいたいという思いから、販売を始めてみたいと考える方も多いと思います。
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犬服を手作りして販売するためには、特別な資格は必要ありませんが、
「犬服作りが楽しい!」「飼い主さんに喜んでもらいたい!」
そんな思いを継続し、犬服を作って販売し続けるためには、考えておかなければいけないことがいくつかあります。
今回は、犬服を作って販売し続けていくために、最初に考えておきたい6つの注意点をご紹介させて頂きます。
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①サイズ展開を考える
犬服には、サイズが豊富にあるため、サイズ展開をしっかり考えたコンセプトが必要です。
例えば、胴まわりが同じ40cmでも、
・ダックスフンドのAちゃんは、首まわりが26cmで着丈が30cm。
・ミニチュアピンシャーのBちゃんは、首まわりが22cmで着丈が24cm。
AちゃんとBちゃんでは、胴まわりが同じ40cmでも、同じ服がぴったりには着れません。
それぞれの犬種特有の個体差があるからです。
☆中間サイズを事前製作
多少のサイズの誤差を計算に入れて、中間的なサイズを作り、サイズが合う場合にだけ購入して頂く販売方法です。
例えば、胴まわり40cm、首まわり24cm、着丈24cmとしておくことで、ダックスフンドには着丈は短くなるけれど、着れる子もいるであろう。
ミニチュアピンシャーには、少し首が大きくなるけど脱げるほどではないであろう。同様に、シーズーや、トイプードル、チワワやヨークシャーテリアなどにも着れる子がいるであろうと考えたサイズ展開です。
この場合は、サイズが合う場合に購入して頂くため、後のサイズ修正などのトラブルなどもなく、材料に合わせた製作枚数と1度に何着も流れ作業で作ることができるため、コストを抑えることができますが、サイズが合う確率は低くなるため、在庫が出でしまうというデメリットがあります。
☆フルオーダー
サンプルを1着だけ作り、フルオーダーにしてぴったりサイズを作ることで、
「既製品では、サイズが合わないから買えない」
といったニーズに応えることができます。
しかし、ある程度の犬種を特定しておかないと、小型犬から大型犬まで、どんなサイズのオーダーが入るかわからないため、
例えば、トイプードルやチワワなど小型犬の場合は、2mでも10着以上タンクトップを作ることができますが、グレートピレニーズ、ラブラドールレトリバー、バーニーズが3頭おそろいで欲しいと注文があった際には、2mでは全く足りないため、生地の準備の際に計算がとても難しい。
などといった、材料の準備が予測できないというデメリットがあります。
そして、お客様からのオーダー通りに出来なければ、何度でもやり直すという覚悟が必要です。
☆犬種を特定して、その犬種だけを対応する
犬種を特定することにより、その犬種特有の体型に合わせた犬服を作ることができます。
例えば、イタリアングレイハウンドは、胴まわりに対してウエストのくびれが大きいため、既製品ではすそが浮いてしまい、ウエストまわりがしっくりこなかったり、なかなかかわいいデザインのものが見つかりにくいなどのニーズに応えることができます。
さらに、犬種を特定することによって、フルオーダーにしなくても、SS、S、M、Lなど、サイズを固定して、準備した生地分だけを製作し、完売後にまた新しいデザインを発表するという1番無駄のない販売方法ができます。
1ヶ所だけサイズを修正できるセミオーダーなどもオプションとして設定ができます。
②最初から利益のある販売価格で始める
最初は自信がないことから、安く設定される場合がほとんどですが、続けていくなかで、値段を下げることは簡単ですが、値段を上げていくことはとても難しいことです。
お客様からお金を頂いて作っていく以上、自分の時間を割いてでもお客様のご要望に合わせて動いていかなければいけません。
手作りの犬服を1着、1番簡単なノースリーブでも、生地の購入、裁断、縫製、お客様からのお問い合わせへの対応、商品の発送、もしもの場合、サイズの誤差や縫製ミスによるほつれや破れがあったことによる返品や修正後の再発送など、、。
今では犬服は、安いお店では1着1000円以下でも購入できるため、同じように1000円でと販売してしまうと、「こんなはずじゃなかった」と、継続することが難しくなってしまいます。
労働が全て利益に繋がることは、本当に難しいことですが、価格設定を最初からしっかりとしておくことも、継続するためには大切なことだと思います。
そして、お客様にとって、その金額を払う価値はどこにあるのかをしっかりと考えておくことが必要です。
③オリジナルのコンセプトを決めておくこと
犬に服を着せるという考え方もそれぞれで、
散歩に出かけた際に汚れないように、蚊除けやダニ除け用に、車に乗せるときの抜け毛防止のためにといった機能性重視のみの場合、低価格のものが何着もあった方がいいという考え方や、
機能性を重視しつつも、デザインにもこだわりたいと、高額な犬服を購入されていらっしゃる飼い主様もいらっしゃいます。
1番大切なことは、犬にとっての機能性をしっかり考えたうえで、飼い主様が愛犬と一緒にハッピーになれるようなニーズに応えられるコンセプトをしっかり確立し、そのコンセプトに沿った犬服を作ることで、自信を持って値段を設定していくことが、続けていくための大切なことだと思います。
④販売方法を考える
実際に犬服を販売する際は、実店舗、イベント会場、インターネットとわけられるかと思います。
●実店舗の場合は、委託先を探したり、自分でお店を開いたりする場合。
●イベント会場で販売する場合は、様々なペットのイベントや手作りマルシェなどを探し、出店料や売上の一部を主催者に支払って、出店する場合。
●インターネットの場合は、フリマアプリやインターネット上のショッピングモールに販売手数料や出店料を支払って出店する場合と、
独自でサイトを立ち上げて、アクセスを集めることから勉強し、オリジナルサイトで販売する方法。
どんな方法であっても、メリットやデメリットとなる考え方があります。
「販売手数料や出店料がもったいないな」と、思うかもしれませんが、それだけのスペースと初めから多くのお客様の目に触れるということを考えると、店舗を借りる家賃や、独自ドメインでのホームページをアクセスゼロから始める難しさなど、
全てがメリットだけという販売方法は難しいかと思います。
そして、販売方法に合わせた値段設定を考える必要があります。
出店料や販売手数料もそれぞれ異なるため、同じ値段設定だと利益が異なるということも考えておかなければなりません。
⑤はじめから記帳をすること
売上の多い少ないに関わらず、はじめから記帳をしていくことが大切です。
どんぶり勘定で、「なんとなく2000円くらいで売れたらいいかな」と値段設定をしていくのではなく、生地にはいくら使って、発送にいくらかかって、ホームページのドメイン代やサーバー代、勉強のための犬服に関する雑誌の購入や、ミシンの購入など、1着の服にどれだけの経費がかかっているかをしっかり把握しておくことが大切です。
売上が大きくなって確定申告をするときにも困らないよう、売上が少ないうちからの細かい記帳が大切です。
⑥一対一だけの仕事ではないということ
お客様との一対一だけの仕事ではなく、「犬にとっても!」ということを大切に考えておくことが重要です。
さらに、実店舗の場合は、近隣の住民やお店への配慮、マルシェなどのイベントでも、犬を相手としていない食品を取り扱うお店や、雑貨などを出店するお店など、すべての人と動物たちへの配慮がとても大切になります。
まとめ
①サイズ展開を考える
②最初から利益のある販売価格で始める
③オリジナルのコンセプトを決めておくこと
④販売方法を考える
⑤はじめから記帳をすること
⑥一対一だけの仕事ではないということ
以上の6点が、犬服を販売する際にまずは考えておきたい大切な注意点です。
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楽しくて始めた犬服作りから、犬にとっても、飼い主様にとっても、そして、販売する側にとっても、ずっとハッピーが続きますよう、少しでも参考にして頂けたら幸いです。
~これから、ペットのお仕事をはじめようと考えている方へ~
著書『ペットビジネスフィロソフィ』